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第9章 阪神大賞典 〜2006年の始動〜 |
日付 | レース名 | 場名 コース | 馬場 | 人気(オッズ) | 着順 | 騎手 | 斤量 | タイム | 3F | 馬体重 | タイム差 |
06.03.19 | 阪神大賞典(G2) | 阪神 芝3000 | 稍 | 1 (1.1) | 1 | 武豊 | 58.0 | 3.08.8 | 36.8 | 442(+2) | 0.6 |
三冠馬として挑んだ有馬記念は本格化したハーツクライの先行策に勝利を阻まれた。 それだけに、この1戦はディープインパクトという三冠馬が本物の超一流馬であるか否かを測る、ある種試金石と言えるレースである。 彼が選らんだ2006年シーズンの緒戦は過去にナリタブライアンやメジロマックイーンといった超一流の馬たちが歩んだ道、阪神大賞典であった。 距離は3000メートル。菊花賞のレース内容から距離はまったくの不問である。むしろ重要なのはディープインパクトの闘志に火が宿っているか否かの方が重要であろう。 パドックに出てきたディープインパクトは、入ってきたその瞬間は非常に落ち着いているように見えた。パドックの出来だけならばアイポッパーの方が良く見せた。 しかし、周回をこなすたびにディープインパクトの瞳はその光を強くしていった。 本馬場入場が始まるとディープインパクトは一番最後に出てきた。返し馬としては非常に良い感じで向こう正面に流していった。 この日は時折、みぞれまじり。風も冷たく強かった。 レースがスタートするとディープインパクトは昨年のような出遅れぎみのスタートではなく、まずまず普通のスタートを切った。先手を取ったのはトウカイトリックであった。 それに続くようにインティライミも先行策を取った。ディープインパクトは相変わらずの後方集団を追走していた。一周目のスタンド前を通過する時、やや行きたがるそぶりを見せる ディープインパクトが見えた。しかし、武騎手は軽くなだめて向こう正面へ走っていたった。ペース自体は速くなくマイペースでトウカイトリックがやや大逃げ気味に逃げていく。 しかし、3コーナー手前でディープインパクトが除々にポジションを上げていった。その姿がターフビジョンに映るとスタンドから大声援が巻き起こった。 ところがこの大声援はその数秒後には恐れさえ感じる驚嘆の歓声へと変わっていくのである。4角を大外からまくって進出していくディープインパクトの速さといったら、それは恐ろしい速さだった。 みるみるうちに先頭のトウカイトリックまで飲み込まれた。直線もまたずに先頭に立ったのはディープインパクトだった。しかも武騎手の手綱はまったく何もしていない。 直線コースに入って内からトウカイトリックがもう一度挽回してくるがディープインパクトはこれを軽くいなして後続との差を少しづつ広げていった。 武騎手はターフビジョンを見たり、またの間から後ろを見ているだけでまったく追っているような素振りはなかった。ほとんど何もせずに乗っていただけのように 見えなくもないほどの楽勝劇でディープインパクトはゴールを切った。 上がり3ハロンは36秒台と遅く計測されているがこれは驚異的な向かい風の中を走ってのことである。しかも追わずにこのタイムだ。参考までに他馬のタイムを記す。 2着トウカイトリック38.1 3着デルタブルース38.3 4着ハイフレンドトライ38.2 5着ファストタテヤマ38.9であった。 今年のディープインパクトは本当に凄いと素直に思う。 世界一へ向けて日本が送り出す最高の競走馬である。この後の天皇賞では一体どのくらいのパフォーマンスを見せるのか非常に楽しみである。 |
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 時計 | 3F |
1 | 2 | ディープインパクト | 牡4 | 武豊 | 3.08.8 | 36.8 |
2 | 1 | トウカイトリック | 牡4 | 芹沢純一 | 3 1/2馬身 | 38.1 |
3 | 8 | デルタブルース | 牡5 | 岩田康誠 | 4馬身 | 38.3 |
4 | 6 | ハイフレンドトライ | 牡6 | 池添謙一 | 4馬身 | 38.2 |
5 | 5 | ファストタテヤマ | 牡7 | 武幸四郎 | 2馬身 | 38.9 |
6 | 9 | アイポッパー | 牡6 | 安藤勝己 | 2馬身 | 39.2 |
7 | 7 | チャクラ | 牡6 | 小牧太 | 7馬身 | 39.6 |
8 | 3 | インティライミ | 牡4 | 佐藤哲三 | 1 1/4馬身 | 41.1 |
9 | 4 | ブリットレーン | 牡7 | 和田竜二 | 9馬身 | 41.6 |
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