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能力と距離適正について

先週の日曜日、今年も伝統の古馬最強馬決定戦である「天皇賞(春)」が京都で行われ昨年の2冠馬メイショウサムソンが大接戦を制し優勝した。
特に今年の天皇賞は戦前から混戦となっていたのだが、その原因の1つはメイショウサムソンの距離実績の不安からくる、いわゆる中心馬不在といった空気による所が大いにあったように思う。
もしも今年の天皇賞のメンバーを中距離戦で戦わせたらメイショウサムソンは文句なくの本命馬だが、ことは長距離3200mである。
日本のG1で3000mを超えるものは3歳クラシック最終戦の菊花賞、そしてこの天皇賞(春)の2つのみであるが、この長距離戦において無視できない要素はやはり距離実績もしくは距離適正だと思う。
極端にこれを言い換えればマラソンランナータイプなのか、それとも短距離走タイプなのかという事になるのであるが、今や日本競馬で目指されているのは間違いなく後者である短距離走タイプの「速い馬」の方である。
ということはである、チャンピオンクラスの馬たちの多くが長距離よりはマイル〜中距離あたりを得意とするタイプにシフトしてきたという事になり、その能力的実績から来る人気を伴ってマラソンレースに参戦するというケースは、危険な本命馬を生む事になるのではないだろうか。
ここ数年の競馬を見ていると菊花賞が特にであるがやや荒れるケースが増えてきたように思う。
下記に近年10年の菊花賞勝ち馬と人気、個人的な距離タイプ、父馬を記す。
 
2006年:ソングオブウインド  8番人気(中長距離) エルコンドルパサー
2005年:ディープインパクト  1番人気(万能)   サンデーサイレンス
2004年:デルタブルース    8番人気(長距離)  ダンスインザダーク
2003年:ザッツザプレンティ  5番人気(中長距離) ダンスインザダーク
2002年:ヒシミラクル     10番人気(中長距離) サッカーボーイ
2001年:マンハッタンカフェ  6番人気(中長距離) サンデーサイレンス
2000年:エアシャカール    2番人気(中長距離) サンデーサイレンス
1999年:ナリタトップロード  3番人気(長距離)  サッカーボーイ
1998年:セイウンスカイ    2番人気(中長距離) シェリフズスター
1997年:マチカネフクキタル  3番人気(中距離)  クリスタルグリッターズ
 
驚く事に2005年のディープインパクト以外は1番人気馬以外の決着となっているのだ。
そして、その後の競走成績からも長距離に実績を残す事が多くなった馬たちがやはりここを旗点にして能力開花を果たしているように思う。
つまり長距離戦における長距離実績および血統から来る距離に対するバックボーンは非常に重要な要素なのである。
それを踏まえた今年の天皇賞(春)だったが結果から言ってメイショウサムソンはやや距離の壁を能力でカバーしたというケースだったように思った。
もちろん血統から見るとメイショウサムソンが長丁場を得意としていても不思議ではなかったのだが、今回の勝った内容からしてもやはり長距離馬ではないなと思った。
メイショウサムソンは中距離タイプのようだ。
逆に2着に入線したエリモエクスパイアや3着のトウカイトリックは完全に長距離タイプだろうと思う。
今年の天皇賞にも見て取れたように3000mを超えるような長距離戦では、その競走馬の距離タイプを見定める事が重要である。
そしてその上で各馬の能力値を照らし合わせる事が大切だと思った。2007.05.01

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